スペインに居を構え、バルセロナを拠点に活動しながら、日本でも意欲的に舞台公演を行ってきた中田佳代子。生命力にあふれ、コンパスを全身で表現するそのバイレは、タブラオでのステージでもひときわ魅力を放つが、中田のアルティスタ魂は、彼女をテアトロの作品へ、新たな挑戦へと突き動かしていくようだ。


flyer2_kayokonakata_finfin_ol.jpg前作、マラガの第一線で活躍するアルティスタを率いて、彼女が傾倒するマラガと故郷岩手への思いをひとつの作品に紡いだ「追憶~Reminiscencia de Cai~」から2年、中田は今また新たな作品の上演に挑んでいる。11月22日に行われた盛岡公演を皮切りに、24日には大阪、26・27日には東京で上演を行う。
今回の公演タイトルは「Hermandad~融合」。
前作では、民謡歌手福田こうへいとのコラボを成功させた田中だが、それを更に進化-深化させた「スペインと日本の文化の融合」に挑む。公演直前に、中田にその心境を聞いた。
「もし、明日私が死んでしまうなら、その前に彼のギターで踊ってみたい!」
公演のテーマ、そして共演者のことを尋ねた時に、彼女が最初に口にした言葉だ。
彼とは、今回招聘するギタリスト、ラファエル・ロドリゲスのこと。
2002年にセビージャへ留学したときから、彼のギターに魅了されたという。
RafaelRodoriguez.jpgラファエル・ロドリゲスは、イスラエル・ガルバンとの共演を始め、第一線のフラメンコ舞踊家たちから厚い信頼を集めるギタリスト。舞踊伴奏の名手として名高いが、ソロ演奏でもいぶし銀の存在感を放つ。コンパスを自在に操り、フラメンコの遊び心にみちたその演奏はギターファンならずとも"一聴の価値あり"だ。
本公演では「ZAMBRA- その土地、その瞬間に合わせた」が、彼のソロ曲として用意されている。その土地、その瞬間の彼のインスピレーションから生まれてくる演奏にますます期待が膨らむ。
今回の公演テーマ「融合」について考えたとき、「伝統的なフラメンコと日本の伝統文化との競演、それを実現してくれるのはラファエルしかいない!と語る中田。
今回の作品は、彼なしでは考えられなくなったという。
本公演では、この惚れに惚れこんだラファエルのギターを軸に、ラテンバイオリン(SAYAKA)の響きと津軽三味線(黒澤博幸)の旋律、そしてこちらもラファエルに相当惚れてこんでいるというカンタオール、ホセ・アニージョ、これに、バイオリン、パーカッションが加わって、日西の融合を目指す。
果たして、彼らはどんな形のどんな色の花を咲かせるのだろうか。
「遠く離れたスペインと日本。言葉は通じないけれど、 魂は通じあえる、二つの根が混じり合い、 ひとつの花を咲かせる、 それがHermandad-エルマンダ-です」と、語る中田のその言葉は、彼女の信念である。
実はこの公演、日本での上演に先立ち、バルセロナでも行われている。
「融合の花が咲いた!と感じた瞬間が、たしかにありました。日西融合といったって、一体どんな作品なのかと最初は半信半疑の面持ちだった観客の皆さんも、最後は一つになって"その瞬間"を楽しんでくださいました」と中田。昨晩行われた岩手公演では、そのことばを実証する熱いステージが展開された模様。続く大阪、東京公演では、さらに大きな大きな融合の花を咲かせてくれるに違いない。公演まであと僅かだが、大阪・東京ともに残席わずかとのこと。走れ、劇場へ!
取材協力 後藤洋美
中田佳代子フラメンコ舞踊公演「Hermandad~融合」
<出演者>
バイレ(踊り):中田佳代子
ギター:Rafael Rodríguez ラファエル・ロドリゲス
カンテ(唄):José Anillo ホセ・アニージョ
津軽三味線:黒澤博幸
バイオリン:SAYAKA
パーカッション:GENKI
パルマ:伊集院史朗
上根子神楽 岩手県花巻市指定重要無形文化財(盛岡公演のみ)
<開催日時 場所>
11月22日(土)岩手県公会堂  
           開演19:00 前売り5,500円 
11月24日(祝・月)世界館 大阪 
           開演15:00 前売り7,000円
11月26、27日(水・木)セルバンテス文化センター東京
           開演19:30 前売り7,000円
※当日券1000円増、開場は開演30分前となります。
<チケット申込み・問合せ>
中田佳代子 エルマンダ公演事務局 担当:後藤
Tel:090-1261-5856
E-mail:kayokoflamenco2014@gmail.com
Reminiscensia de Cai 写真_.jpg

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