今年の秋には、スペインからの来日公演がたくさん予定されているようです。どれに行こうかと迷われている方も多いでしょうが、できるだけたくさん、お財布が許すなら、観ていただきたいですね。現地に出かけて観るというのも結構な出費ですし。しかし、秋まで待てないフラメンコ・ウォーカーは、今年もフラメンコがぎゅぎゅっと凝縮されているフェスティバルへと赴いて参ります。
まずは、2年前にもレポートした、フランスのボルドーから電車で一時間ちょっとの村、モン・デ・マルサンのフラメンコフェステバルです。7月6日から11日に開催です。今回は、ベテランと若手をバランス良く集め、アーティストの出身地もセビージャ、モロン、カディス、ヘレス、マラガとアンダルシアの活気がダイレクトにモン・デ・マルサンに伝わってきそうなラインナップです。またこのフェスティバルでは、アーティストによるレッスンも行われ、OFFフェスティバルのイベントも盛りだくさん。5日間、またリトル・スペイン状態になることでしょう。
プログラムは下記。
7/6「Yo,Carmen」マリア・パベス
7/7 「El sonido de mi libertad」ダニ・デ・モロン
7/8 「&dentidades」パストーラ・ガルバン、フアナ・ラ・デル・ピパ、エル・ファルー
7/9 「De la Barrosa a la Caleta 」アントニオ・レジェス、ダビ・パロマール
「De Huelva a Sevilla 」カルメン・レディスマ、エル・チョロ、ラ・スシ
7/10 「Promesas del fl amenco」 ダビ・デ・ハコバ、エル・イジョ、ヘマ・モネオ、アキリノ・ヒメネス
「Toda una vida」 ラ・カニェタ・デ・マラガ、ランカピーノ、ロメリート・デ・へレス、カレテ・デ・マラガ
7/11 「De Andalucia a Mont-de-Marsan」 フアナ・アマジャ、メルセデス・デ・コルドバ、ラファエル・デ・カルメン、ホセ・デ・ラ・トマサ
クラスの講師陣
バイレ:ラファエラ・カラスコ、フェリペ・マト、カルメン・ゴンザレス、マリベル・ラモス、カルメン・ラセロ、トロンボ
ギター:ダニ・デ・モロン、カルロス・デ・ハコバ、エル・プルガ、ピエール・プラダル
カンテ:アリシア・ヒル、マティアス・ロペス
コンパス、パルマ、カホン:ルイス・アマドール、ロス・メジス、エル・プルガ、トロンボ
公式サイトはこちらです。
さて、もう一つご紹介するのは今年で2歳と若いフェスティバル。7月21日から8月31日まで開催されるサン・フェルナンドの「ラ・イスラ・シウダ・フラメンカ」です。サン・フェルナンドという地名...そう、あの伝説のカンタオール、カマロン・デ・ラ・イスラの出身地です。カディスの隣町で、よくカンテの歌詞にも出てくる「バイア・デ・カディス」に沿った町です。この町で地元のプロダクションが中心となり夏のフラメンコフェステバルが発足しました。近くには海岸もあり、自然公園やコンドミニオ形式のホテルもあり、夏のバケーションを過ごす穴場。電車の駅が二駅あるので、カディスの港を囲む他の町へのアクセスも可能です。(左上写真:ベンタ・デ・バルガスの入り口のバル)
そしてなんと言っても、あのカマロンが過ごしたベンタ・デ・バルガス(Venta de Vargas)は、フラメンコファンなら一度は立ち寄りたいところでしょう。店内には、カマロンが有名になってからゆっくりと食事をするために設けられた小部屋、レセルバード・デ・カマロンも残っています。訪れた時はちょうどリフォーム工事前で少し荒れておりました。このベンタ・デ・バルガスを含む市内の各所で、42日間にわたってフェスティバルが開催されます。今年は、カプージョ・デ・へレス、マイテ・マルティン、アントニオ・カナーレス、ローレ・モントージャらの豪華ゲストに加え、地元の注目の新人カンタオール、ホアキン・デ・ソラら多くのアーティストが参加します。カナーレスのワークショップやフラメンコについてのカンファレンスも企画され、いろいろなタイプの来場者に楽しんでもらおうとプログラムが組まれています。今年はもう間に合わないな?という方も、ちょうど日本の夏休みと日程がばっちりあっていますので、来年以降夏のアンダルシア旅行の訪問先の候補にいかがでしょうか?フェスティバルも日本からの来訪を歓迎してくれるはずです。プログラムはとても長いのでこちらをご参照ください。(写真右上:ベンタの中に飾ってある、カマロン・デ・ラ・イスラとトマティートの写真)
(日本にフェスティバルを紹介することを報じる地元の新聞)