昨日、11月14日に来年の2月20日から3月7日まで、アンダルシアのヘレス・デ・ラ・フロンテーラで開催されるフェスティバル「フェスティバル・デ・ヘレス(Festival de Jerez)」の公演プログラムが発表されました。今年のポスターは、昨年ビジャマルタ劇場を湧かせた、マヌエル・リニャン(Manuel Linan)のマントン(大きなマント)&バタ・デ・コラ(裾が長く尾の様になったスカート。通常、女性の衣装)姿です
このフェスティバルは、以前にもレポートしていますように、毎年行われていて、2週間の間、公演だけでなくアーティスト達によりクラスも並行して走っています。オフ・フェスティバルのイベントも盛りだくさんで、全て徒歩圏内でフラメンコを満喫できます。
ついでに(!)、シェリー酒の里であるヘレスで、美味しいシェリー(あちらでは、ヘレス、またはビノ・デ・ヘレス(Vino de Jerez)も味わえるというおまけつきです。
以下、2015年の公演プログラムです。
表記順は、
日にち
時間:公演場所:タイトル(特にタイトルのないものは空欄にしてあります)
出演アーティスト
2月20日(金)
21時:ビジャマルタ劇場(以下、Teatro Villamartaと表記):「ELLA」
メルセデス・ルイス(バイレ) ゲスト:アントニオ・カナーレス(バイレ)
24時:サラ・パウル(以下、Sala Paulと表記): 「AMALGAMA」
ミゲル・オルテガ(?カンテ)?ゲスト: オルガ・ペリセー(バイレ)
2月21日(土)
19時:Sala Paul:「EL NINO. ANDANDO POR LOS CAMPOS MARCHENEROS」
ロシオ・マルケス(カンテ)
21時 Teatro Villamarta?:「GITANA MORENA ?NATURALEZA GITANA」
マヌエラ・カラスコ(バイレ) ゲスト:ディエゴ・アマドール(ピアノ、カンテ)
24時:サラ・コンパニア(以下、Sala Compania):?「SEVILLA」
ルイサ・パリシオ(バイレ)
2月22日(日)
19時: Sala Paul:?「?DENOMINACION DE ORIGEN?」
ダビ・パロマール(カンテ) ゲスト:マリア・モレノ(バイレ)
21時:Teatro Villamarta :「FLA.CO.MEN」
イスラエル・ガルバン(バイレ)
24時:Sala Compania?:「SANGRE Y TERRITORIO」
ヘマ・モレノ、モモ・デ・ヘレス(カンテ)
2月23日(月)
19時:パラシオ・ビジャビセンシオ(以下、 Palacio Villavicencio)?
ホセ・アニージョ(カンテ)
21時:Teatro Villamarta?:「?PASO A PASO?」
フエンサンタ・ラ・モネタ(バイレ) ゲスト:ハビエル・ラトーレ(バイレ)
2月24日(火)
19時: Sala Compania?:「?FLAMENCO, FLAMENCA」
ノエリア・サバレア(バイレ) ゲスト:ダニエル・カサレス(ギター)
21時:Sala Paul?
ロサリオ・トレド(バイレ) ゲスト:フアン・ビジャール(カンテ)、ペリキン・ニーニョ・ヘロ(ギター)
2月25日(水)
19時:Palacio Villavicencio?:カンテ・コンサート
サムエル・セラーノ、ホアキン・デ・ソラ(カンテ)
21時:Teatro Villamarta?:「YO, CARMEN」
マリア・パヘス舞踊団
2月26日(木)
19時: Sala Paul?
マルコ・フローレス、オルガ・ペリセー(バイレ) ゲスト朗読:ホセ・マリア・ベラスケス?ガステル
21時:Teatro Villamarta:「UN ANO SIN PACO」
ヘラルド・ヌニェス、アルフレド・ラゴス、フアン・ディエゴ・マテオス、ホセ・ケベド"ボラ"、サンティアゴ・ララ、マヌエル・バレンシア(以上、ギター)、ミゲル・ラビ、ダビ・カルピオ(以上、カンテ)ゲスト:エル・バルーリョ(バイレ)
2月27日(金)
19時: Palacio Villavicencio:パラシオのコンサートシリーズ
?アルフォンソ・カルピオ、ホセ・カルピオ・ロス・カルピオ"ミヒータ"(カンテ)
21時:Teatro Villamarta?:「LA TENTACION DE POE」
ルーベン・オルモ(バイレ)
24時:Sala Compania?:「SAVIA NUEVA」
イヴァン・バルガス(バイレ) 振付:マノレーテ、フアン・アンドレス・マジャ
2月28日(土)
19時: Sala Paul?:「?DESAYUNO SIN DIAMANTES 」
アナ・サラサール(カンテ、バイレ) ゲスト:アルフレド・ラゴス(ギター)
21時:Teatro Villamarta?:「FUEGO?」
アントニオ・ガデス舞踊団
24時:Sala Compania?: 「TOUCHE」
パトリシア・ゲレーロ(バイレ)
3月1日(日)
19時: Sala Paul?:「DE LO JONDO Y VERDADERO 」
エスペランサ・フェルナンデス(カンテ) ゲスト:アナ・モラーレス(バイレ)
21時:Teatro Villamarta?:「TRADICION Y DUENDE」
パコ・セペーロ(ギター) ゲスト:カルメン・エレーラ、アルムデナ・セラーノ(バイレ)、ランカピーノ・チコ(カンテ)振付&監督:ハビエル・ラトーレ
3月2日(月)
19時: Palacio Villavicencio:カンテ・コンサート
タマラ・タニェ、エバ・ルビチ(カンテ)
21時:Teatro Villamarta?:「SANGRE 」
アデラ&ラファエル・カンパージョ ゲスト:エンリケ・エストレメーニョ(カンテ)、カルメン・レデスマ、ウゴ・サンチェス、ベゴーニャ・アルセ(バイレ)特別協力:ホセ・アントニオ・ルイス(バイレ)
3月3日(火)
17時: Sala Paul?:「AIRES / MARISMAS 」
アンダルシア・ダンス学校の若手達
19時:Sala Compania:「CADIZ - SEVILLA, !QUE MARAVILLA!」
クラウディア・クルス、マリナ・バリエンテ(バイレ)
21時:Teatro Villamarta?:「EL BAUL DE LOS FLAMENCOS」
コンチャ・ハレーニョ(バイレ) ゲスト:フアン・アントニオ・スアレス"カノ"、?アナ・サラサール(カンテ)、アドリアン・サンタナ(バイレ)
3月4日(水)
12時: 「AIRES / MARISMAS 」
アンダルシア・ダンス学校の若手達
19時:Palacio Villavicencio?:「EL CANTE DE MORON」
モイ・デ・モロン、ダビ・"エル・ガジ"(カンテ)
21時:Sala Compania?:「EL CALLEJON DE LOS PECADOS 」
エドゥアルド・ゲレーロ(バイレ) ゲスト:パシオン・ベガ(歌)
監督:エバ・ジェルバブエナ
3月5日(木)
19時:Sala Paul?:「SOLOS」
ダビ・カルピオ(カンテ)、マヌエル・バレンシア(ギター)、パブロ・マルティン(コントラバス) ゲスト:マヌエル・リニャン(バイレ)
21時:Teatro Villamarta:「20 ANOS DE BALLET FLAMENCO DE ANDALUCIA"?IMAGENES" 」
?アンダルシア舞踊団 監督:ラファエラ・カラスコ
3月6日(金)
19時:Sala Compania:「?ARROYO DE LA MIEL?」
フアン・レケーナ(ギター)、 ゲスト:レメディオス・アマジャ(カンテ)
21時:Teatro Villamarta?:「&DENTIDADES 」
パストーラ・ガルバン(バイレ) ゲスト:フアナ・ラ・デル・ピパ(カンテ)、ホセ・ガルバン(バイレ)監督:アントニオ・カナーレス
24時:Sala Paul?:「PERRATERIAS 」
トマス・デ・ペラテ(カンテ) ゲスト:ベレン・マジャ(バイレ)
3月7日(土)
21時: Teatro Villamarta?:「SONIOS NEGROS?」
マリア・デル・マル・モレノ舞踊団 脚本:パコ・サンチェス・ムヒカ 監督:ガスパル・カンプサノ
以上、地元へレスのアーティスト達もたくさん出演するようですね。
プログラムは、この夏のセビージャのフェスティバル、ビエナルで公演したものと被っているものもありますが、一度よりも二度観た方がよりいろんなことが見えてきます。時間に余裕があるなら、是非、リピートしてみてはいかがでしょう。
さて、このところ話題の4スタンス理論ってご存知ですか?
「4スタンス理論とは、人間にはそれぞれ生まれつき決まった身体特性があり、それを4種類に分け解明しようとする理論のこと。
この4種類のスタンスは、血液型と同じように先天的に持つもので、立つ、座る、歩く、つかむといった単純な行為でも、タイプによって身体の形や動かす各部位の順序などが異なるそうです。
この4タイプに優劣はなく、それぞれに著名なスポーツ選手がいて、全くフォームの違う選手が活躍できるのもこのタイプが関係しているそうです。このように自分のタイプを知ることで、ゴルフや野球をしている人は自分に合ったフォームを探すことができるかもしれません。」出典:4スタンス理論とは - ことまとめ
例えば、陸上やゴルフなどで、それぞれのタイプに合ったトレーニング法を行うことで、記録が伸びるということです。逆に、違うタイプのトレーナーの経験から来る指導を受けた場合は、自分の持っている力を出し切れないということもありうるのです。
ということは...フラメンコのバイレにおいても、自分の生まれ持ったパフォーマンスを最大限に活かして踊るために、この理論は活用できるのでは!とひらめいたのです。自分と同じタイプの憧れの踊り手に学ぶとか、指導者は自分と違うタイプの生徒の場合は、それを考慮して重心のかけ方を変えさせてみるとか。「全くフォームの違う選手が活躍できる」というのは、フラメンコのバイレに通じます。フォームというよりスタイルと言った方がいいかもしれませんが、踊り手の個性が否定されないのがフラメンコ。もちろん、それ以前の基礎的な技術とセンスがあってのことですが。どうも身体が動かしにくい、お手本と同じようにスムーズな動きができない、何度教えてもどうも形がぎこちない...というのは、ひょっとしたら、持って生まれた重心とバランスの取り方の違いによるものかもしれませんね。研究の余地あり!
気になるあの踊り手さん、一体、どのタイプなんでしょう!?