スペインの師走は出だしに6日、8日と祝日が続き、多くの人が連休を活かして小旅行に出たり、
街を散歩したり、休日を楽しみます。この時期からクリスマスのイルミネーションがすっぽりと
街を覆い、クリスマスソング(ビジャンシーコ)がどこからともなく聞こえてきて、
とても活気づきます。スペイン最大のフィエスタ、クリスマスNavidad(ナビダ)の始まりです!
12月5日に、市役所前の広場でクリスマス開始の記念式典がありまして、グランダの街に設置された
イルミネーションが一斉に点灯しました。
そして今年は、なんとアルカンヘルが点灯のボタンを押したのでした!右に居るのは市長さんです。
点灯の前にはビジャンシーコのカンパニジェーロスを歌ってくれました!
(これらの写真はローカルテレビで放映された録画より)
En los pueblos~~
En los pueblos de mi Andalucia
los campanilleros por la maduruga~
......
この連休に合わせてグランダでは秋のフラメンコフェスティバルFestival de Otonoが
毎年開催されます。
今年の目玉はなんといってもアルカンヘルです。
式典後にイサべル・ラ・カトリカ劇場でコンサートがあり、久しぶりにアルカンヘルの世界に
たっぷり浸ることができました。
私にとってアルカンヘルは特別に期待していたカンタオールです。
ギターで言ったらビセンテ・アミーゴのように、フラメンコ界に新しい息吹を
もたらしたアーティストの1人で、それはそれは衝撃的、魅力的でした。
グラナダのエストレージャ・モレンテやマリーナ・エレディアと同じ世代でウエルバ出身。
フラメンコ界で注目されだした、もう10年以上前でしょうか、グラナダによく歌いに来まして
特にペーニャのオジサン達にはとても受けていました。往年の歌い手の唄をあれこれ唄いながら
愛好家の人達とあーだのこーだのと論議を交わす場面に同席したりもしました。
また、フィエスタでエストレージャやマリーナと歌合戦をしている光景を見たりする機会も
ありました。ですから何といいますか、憧れですかね......。
恥ずかしながら、アルカンヘルと仕事できたら最高!などと夢見ていた頃があったのです!
そんな私でしたが、その後自分のことで精いっぱいな時代が続き、
アルカンヘルのコンサート活動の様子はあまり観ていないのがちょっと残念です。
アルカンヘルはここ数年ミゲル・アンゲル・コルテスと組んでコンサート活動していますが、
そのミゲル・アンへルも、これまた私にとって思い出のアーティストです。
同じグラナダですし、彼のギターに惚れこみ、過去に2回ほど私の公演で日本に招聘しました。
彼には沢山勉強させていただきました。グラナダからセビージャに移り住み、
いろいろと苦労があったことと想像しますが、昨年のビエナルでヒラルディージョ賞に輝き、
このところ本領を発揮して活躍してくれているのは嬉しいことです。
しかもアルカンヘルとコンサート活動してくれるなんて!私は大満足です。
アルカンヘルの独特の喉、節まわしでダイナミックなブレリアの歌いっぷりがたまらなく、
古いプレゴン、ソレアなどでプーロな雰囲気で始まり、最後はファンダンゴ・デ・ウエルバで
コンサートを締めくくる彼なりのスタイルで通したコンサートで楽しめました。
ただ時々難しいです!彼らがやっていること全部理解するのはちょっと大変、唄だけでなく
コンパスも複雑だったりします。でも、いいのです!やりたいようにやってくれていいのです。
こっちもまだ勉強したいです。やってくださ~い。
さてここで、グラナダ市主催のこのフェスティバルに毎年出演するアーティストであるフォアン・
アンドレス・マジャの存在を忘れたくはありません。私は彼の作品で過去にセビージャのビエナルに
出演させてもらったり、私の公演で日本にも来てもらったりして、沢山勉強させていただきました。
いつでも自分の作品創りにはとても情熱的に取り組み、渾身の努力をはらっているフォアンですが、
今回は彼自身のプライベートな部分をさらけ出す内容で、それはいいのですが、一般受けはしても、
フラメンコファンには物足りない仕上がりになっていて、ちょっと複雑な心境の私であります。
でも考えてみれば、自分の土地グラナダで伸び伸びと自分の世界を、フラメンコを追及する、
踊り続ける、それができるのだから幸せだと思います。
ところで、連休中にはなんと、ビセンテ・アミーゴやトマス・デ・ぺラーテのコンサートや
ライブもありました!ただ困ったことに、日程、時間がダブってまして、
全部見られなかったのはとても残念でした。これ、どうにかして欲しいですね、全く!