「どうだっ!!」
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先日、二コラがMero(ハタ)という魚を捕ってきた。
この魚、約2キロあった。
大きな獲物を捕らえて誇らしげな彼。


前にも書いたけど、
彼は数年前からスピアフィッシングという魚捕りにはまっているのだ。
素潜りして、ゴムの圧力で飛び出す銛(もり)を使ってで魚を狙う。
ちょっと聞くとかなりアグレッシブな印象を受ける。
でも彼が言うには、乱獲する引き網方法はもちろんのこと、
竿での釣りよりも平和的な(?)捕獲手段だという。
なぜなら、捕る魚を選べるから。
小さすぎて環境保護に引っかかるようなまだ小さい魚を傷つけないで済むし、
息を止めていられるのは訓練してもせいぜい2,3分。
その限られた体力の範囲内での勝負でしかない。
しかも、2分(も)息を止めるには
かなりリラックスしていないとダメらしい。
潜る前には完全に脱力した状態で数分間水上に浮かぶ。
大きく息を吸って一気に潜り、
あとは力を抜いて自然に沈んでいくのに身を任せる。
自分の潜水能力のみが頼り。
自己能力の限界はかなり死に近いところにある。
自分の力を見極め、自己コントロールしつつ潜っていった先には、
日常のしがらみから解放された美しく静寂な世界が待っている。
海の底で瞑想するようなものだという。
二コラは私にも勧めてくれるのだが、
生きた魚を串刺しにするのにはやっぱり抵抗が、、、。
今のところは
いつでも息が吸える朝ヨガでのリラックス練習を選びますわ。
さてさて、
私のスローフラメンコ強化訓練(?)は続いている。
(5時半起きが6時半にずれ込むようになったのには目をつぶっておくれ!)
ゆっくり動くとか、
じっくり呼吸するとか、
今やってることだけに集中するとか、
ってやけに難しい。
頑張らないって難しい。
いくつかの気付いた自分の癖を挙げると、
・食事中、左手の拳を握りしめている。
・何かつかもうとするたびに肩が上がる、力は入る。
・たかがミキサーのボタンひとるに必要以上の力を使っている。
・歩くとき頭がいつも前に出る。
・立っているとき、胃とおしりが出てる。
・息を止めているときがある。
・考えごとするとき歯を食いしばる。
・常に食べ過ぎ、満腹になるまでやめられない。
うっわあ、
私ってこんなにいつもガチガチだったのか!
へレスの社会は、東京での生活と比べたらストレスはずっとずっと少ない。
でも、それは外から受けるストレスが少ないってことであって、
もしかしたら、私の内側から出るストレスの量は
日本で生活していた20年前とそんなに変わっていないのかもしれない。
日々、ストレスを自主生産し、そして自己消費しているのだ。
そうか!
これこそがスロスラ上達の道の最大の障害物ではないのか!

へレス人と私のフラメンコの大きな違いとは?
リラックスしていない!!!
右脳で動いていないのだよ、
ぢうも左脳で動いちゃうんだなあ。
(右脳はイマジネーション、創造、感覚、インスピレーション、幸福感覚などをつかさどり、左脳は合理的な思考、論理、目的意識、理論、分析などの働きをする。らしい)
「次の動きはどうだっけ?」
「間違えないように」
「上手く踊りたい」
「褒められたい」
「12、1、2、3、4、5、6、、、、」
「あの人のようになりたい」
「こんなんじゃ、だめだ。もっと練習しなければ」
ふうっ。
ストレス、ストレス。
自分にあげるたくさんのストレス。
スローフラメンコにとっては、
ためにならないこのストレスたち。
へレス人だったら、
「振りは自分で変えちゃうよ」
「間違えることは人生の一部さ」
「私は上手」
「私ってすごい」
「12、1、4、3、7、8、10、、、」
「私はわたし」
「今日も上手くいったし、一杯やりに行こう」
これよ、これっ!
これが出来るようになりたいの!
なんの迷いもなく「私ってすごい」って思えちゃう感覚。
先日、ヒターノの生活を紹介してるTV番組を見ていたら、
自分の息子の結婚式の宣伝を
いくつかのバス停留所の広告に出した父親がしゃべっていた。
長さ1メートルくらいの特大ポスターには、
アツアツな若いカップルの全身写真と
○月○日、誰それのグランボダ(大結婚式)!という宣伝文字。
これが、息子への結婚プレゼント(の一つ)だという。
このためにいったいいくら支払ったのやら。
親バカに呆れもするが、
こういうバカなことが恥ずかしげもなく出来ちゃうって
なんだか「オレ!」じゃない?
リラックスを練習している(苦笑)今の私は
この親父さんの足元にも及ばない。
まだまだ社会常識と世間体の中で
小さくコチコチに固まっている私だもの。
とはいえ、
とりあえずはMeroでも食べながら
スロフラ訓練のプログラミング調整でもするとするか。
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今日の上達への小さな一歩。
左拳は握らずに開放し、
考え事をせず食べることに集中するというところから。
なかなかどうして
上級スローフラメンコまでの道は長そうだ。
メノルカのエメラルド色の海。
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うちの前の海に夕日を見に集まるたくさんの人。
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