2011年9月、私は初めてスペインへ行きました。
ずっとずっと行きたかったスペイン。
フラメンコに夢中になってしまった私にとっては、憧れの人に、いよいよ会いに行きます!的な心境でした。


それまでは、誰かが「1ヶ月スペインに行ってくるんだー」などと言うたびに、「スペインがなんだ!それがどーした!」と、平然を装いつつも、心の中では袖を噛んで悔しがり、「スペインに行ったことのない練習生」というコンプレックスを、自分の中の原動力に変えていました。
アチョー!!という文字を背中にしょって、
いわゆる、「ハングリー」な気持ちで練習していたような気がします。
そんな自分が、やっとやっとスペインへ。
行き先はセビージャ、滞在予定は9ヶ月。
パンパンに膨らんだ憧れのせいで、私の頭の中のスペインは、半分くらいが妄想で出来上がっていました。
きっとどこを歩いても、歌って踊ってる人だらけで、毎日そこらじゅうでフィエスタが繰り広げられているんだろう、という、ギネス級の思い込みとともにセビージャに向かいました。
が、到着してわりとすぐに、全部妄想だと気付き、そのかわりに忘れていた不安なことをたくさん思い出してしまいました。
言葉の不安、長期滞在という不安。
お土産屋さんで働いていた女性(日本人)が話していた、これから通う学校にいる意地悪で有名だという先生への不安...
やっと来れたスペインなのに、何をどうやったら楽しくなるんだろう、と急に心細くなって、全然嬉しくなくなって、しょぼくれてしまいました。
そんな時に、大好きな先輩バイラオーラどどさん(井上圭子さん)が、「セビージャに遊びに行くし、会おうよ!」と連絡をくれて、尻尾があったらちぎれるんじゃないかくらいな気持ちで会いに行き、いろいろ話をしました。
そうすると、どどさんは
「歩とスペインとのお付き合いは始まったばっかりなんだからさ。もっと気楽にやればいいんだよー。」と笑顔で一蹴。
それですごく心が軽くなりました。
あ、そっかー。そうだった。じゃ、しょうがないなぁー。と。
どどこさん
そこから少しずつだけれど、いろんな事が私の心の中に入ってきたような気がします。
楽しいことも増えてきました。
自分からドアを閉めてしまったくせに、
「こんなことなら日本にいたかった」
「全然面白くない」と、いろんなことを誰かのせいに、もしかしたらスペインのせいに、もしかしたら意地悪で有名な先生のせいにしていたのかも。
でも、スペインさんにしてみたらとても迷惑な話だなと。
勝手に憧れて、勝手に妄想して、勝手に大好きだと思ってたくせに、
ちょっと「チナ」って呼ばれたとか、
ちょっと学校が面白くない、とか、
そんなことで勝手に失望。
それじゃただの被害妄想で、
「ひどい男だった」と言ってるようなものである。
そんな身勝手な私の言い分を、スペインさんが受け入れてくれるかどうかはわからないけれど、「始まったばかりのお付き合い」だと思えてから、心のドアがちょっとずつ開いたような気がします。
フラメンコに限らず、日々の色々な出来事にへこんで、すぐにドアを閉めがちな私ではありますが。。
いいことも、そうじゃないことも、
自分に必要なこと、入ってきておくれー!
と、今は思えます。前よりも。
とりあえず、今日もドアは開いてる!
そしてめでたくフラメンコに夢中。
今日は、怖いけど、しばらく練習してきたティエントを踊ってみよう。
失敗だって、【成功のもと】と言うもんな。
夜明け

3つの壁の乗り越え方

【フラメンコに行き詰まりを感じている方へ】

フラメンコ(カンテ/踊り/ギター/他)が難しい...
先行きが見えない...
壁を感じている...