12月20日よりクラウドファンディングサイトreadyforにて公開しております「フラメンコギタープロジェクト~大分県にフラメンコギター。無料貸出し用ギター20本購入したい」は2月22日未明、皆様からのご支援が目標額に到達し、プロジェクト成立となりました!大分、九州はもとより日本全国、スペイン、ヨハネスブルグから頂きました皆様の温かいご支援に心からお礼申し上げます。
「クラウドファンディングとは(英語:Crowdfunding)とは、不特定多数の人が通常インターネット経由で他の人々や組織に財源の提供や協力などを行うことを指す、群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語である。 ソーシャルファンディングとも呼ばれる。」Wikipediaより。
私の挑戦しているファンディングはall or nothing方式と言うもので、最初に目標額と公開期限を設定し、支援額が期限内に目標に到達すればプロジェクト成立で支援金が支払われる。到達しなければ不成立で支援は0円に戻ってしまう、というルールでした。当初は気にもしなかったこのルールが日に日に見えないプレッシャーとなり、ご支援が増えるほどに、不成立にする訳にいかない!と不安と焦りがじわじわとやって来る。2月に入ってからは周囲の人達もソワソワと心配してくれて、一緒にドキドキしてくれて本当にありがたかったです。成立してホっとすると同時に、ついにスタートラインに立つ事が出来ていよいよこれからだ、と緊張もしている。今日は、初めて挑戦したクラウドファンディングについて、ちょっと振り返って書いてみようと思います。
ファンディングサイトready forの「芸術の秋、手数料割引キャンペーン」というダイレクトメールにピンと来て、問い合わせたのが11月末。サイトにはずらり様々なプロジェクトがあり、面白そうなのを色々と覗いてみる。なんだかすぐにでもお金が集まりそうな錯覚に陥る。(そう、錯覚でした)問い合わせ後すぐに連絡が来た。プロジェクトには「キュレーター」と呼ばれるファンディング指南役がついて指導してくれる。12/1にキュレーターKさんと電話で初めて話す。30分くらいは話してた気がする。どんなもんだか話を聞くだけのつもりがあれよあれよとサイト登録をする事になった経緯、実はあまり覚えていない。というのも、この後の慌ただしさが尋常でなかったから。
まずプロジェクトの社会性、具体性、成立する可能性があるのか、実行者の信用性はどうか、など法務審査のための調査資料を提出。目標額と使い道、公開期間の設定。契約書とプロジェクトページの作成。とここまでをまず4日間(!)でまとめる。
公開期間は最長90日。もちろん私は余裕をもって90日にしたかったが、却下。交渉の末、ふた月で落ち着く。「ファンディングは最初と最後に支援が集中するので期間が長く中盤支援が途絶えると心が折れちゃう方が多いのです。」とキュレーターさん。心が折れる??? どういう事だろう。ファンディングでは支援者へ支援額に応じたお返し、リターンを送る、というのも初めて知った。何も準備してないし、何をどうしたらいいのか、何もお返しできるようなものを持っていない、誰かにお願いするにしても4日間では短すぎる。途方に暮れる。
同時進行でプロジェクトページの製作。自己紹介、きっかけ、目的、なぜそうしたいのか、そのプロジェクトが誰に何をもたらすのかを文章にしていく。写真と動画の選別。ギタリストじゃないからギターの写真はほとんど持っておらず、つくば発表会のリハの合間に今田さんのギターを借り、カンテの有田さんに撮ってもらった。各方面に掲載許可も取らなくちゃ!動画もwebに載せる形では持っておらず、リサイタルのビデオを急きょ編集してもらう。イベントや各所で配布・設置してもらうチラシの作成。パソコンとスマホにはりつく日々。おぼろげなイメージでしかなかったアイデアを悩み迷いながら目に見える形にしていく。とてもとても骨が折れる作業だったけれど、キュレーターさんと何度も推敲を重ねて、限られた時間と文字数の中で何がしたいのか、何を伝えたいのかにギュっと集中していくうちに、プロジェクトが少しずつその姿を現してきた。
ページの空白が埋まり12月20日の公開が決まった。facebookで情報を投稿する時、「これでもう後戻りできないんだ」と身震いするほど緊張した。ブログで。メールで。チラシで。「作る」から「伝える」日々へ突入。キュレーターさんの言っていた「心が折れる」の意味もしっかり嚙みしめた。心からの喜びも感動も...色んな感情を一気に味わって、沢山の人に会いに行った。会いに来てもらった。
ふと思いついた夢。自分の夢を叶えるためにクラウドファンディングを選択した事、自分の周囲にいる方々にどんなに言い方を変えても結局は「お金を出してください」とお願いしていく事については、日々心の葛藤がありました。ギタリストなら絶対にしなかったであろう、大胆というよりある意味、素人ならではの無謀とも言える挑戦だとも思います。
でも、プロジェクトで出会った地方でフラメンコに携わっている方々の生の声や、公開から現在まで100人以上の方々に届けて頂いた大きな大きな励ましとご支援をあらためて思うとき、ギタープロジェクトはもうわたしひとりの夢ではなくなってきたのだ、と感じます。だからしっかり声を出す。出し続ける。つながるという事は、伝えるという事から始まる、とこのプロジェクトに教えてもらったから。自問自答を繰り返しながら、みんなのギターが人とともに生きて成長するための良い道を探っていきます。ご支援を頂きました皆様、あらためて本当にありがとうございました。
プロジェクトは2月28日まで公開中です。
どうぞ引き続き宜しくお願いいたします。
☆2月20日発売、世界唯一の月刊フラメンコ専門誌「PASEO」3月号につなぐ会とギタープロジェクトについてのインタビューが掲載されております。よろしければご高覧くださいませ。