7月9日、青山CAYでのドローレス×沖仁。
炸裂するドローレス。震える観客(私)。
むき出しのドローレス。腸をわしづかみされる観客(私)。
乾いたざらついた声も、その声に連なる身振りのひとつひとつも、
歌の合間に時折り挟まれた言葉のカケラまでも
魂そのもの。フラメンコそのもの。
ドローレスのオーラは、以前よりもさらに優しさを増して、
観客を包み込んだ。


寄り添う沖仁。
この日の緊張と喜びを全身(彼の全身にはもちろんギターも含まれる)
で表現した沖仁。
ドローレスへの、へレスへの、フラメンコへの
リスペクトに高揚する沖仁。
その感情のすべてを、観客の前に差し出した彼は、
最高の笑顔に満ち溢れていた。
開場は純粋沖仁ファンが7割、フラメンコファンが3割といったところか。
オープニング、沖が登場すると、客席から黄色い声がワンサと飛んだ。
通常のフラメンコライブの観客層とは明らかに違う。
そんな観客とドフラメンコとの落差を
ホンネをにじませながらの沖の軽妙なトークが、埋めていく。
さまざま場所で、いわゆるフラメンコファンではないより広範な観客に向かって
コンサートを積み重ねてきた彼のキャリアのなせる技だ。
叫ぶドローレス!
刃をむくドローレス!
形のない魂のかたまりが、彼女の身体から波のように押し寄せてくる。
それは人間への慈しみか、
命の讃歌か。
なぜだか、涙が止まらない。
ラストは、ドローレスの娘エミリア、
ドローレスとの揺るぎない信頼関係を持ち、こたびの彼女の招聘者でもあるギタリストの俵英三、
歌い手の川島桂子もステージに上がってのフィン・デ・フィエスタ!
会場の熱気も頂点に。
私の周囲にも、たまたま居合わせた沖仁ファンがいた。
初めてのドローレス体験に彼女たちも大興奮!
いつもにも増しての沖の弾けぶりにも、いたく御満悦な様子だ。
「今日はすべてが僕自身のためにあります」、ステージでも沖はそう呟いていたが、
フラメンコのど真ん中、直球勝負を、彼は思いっきり楽しんでいるように見えた。
フラメンコとともに在ることの幸せをかみしめていたに違いない。
「フラメンコ・メルカード」の第1回目の企画として行われた今回のライブ。
今後も、土着性の高いフラメンコの世界を沖プロデユースで開催していく予定とのこと。
ドフラメンコ×沖の組み合わせ(が続くのかな?)は、
色々な意味で、刺激的な化学変化をもたらしてくれることだろう。

3つの壁の乗り越え方

【フラメンコに行き詰まりを感じている方へ】

フラメンコ(カンテ/踊り/ギター/他)が難しい...
先行きが見えない...
壁を感じている...