フラメンコの記事って、一般媒体に出ることはほとんどないですが、
一般の媒体に出た記事、つま、フラメンコの世界とはあまり関係ないライターさんが書いた記事というのは、
視点が新鮮で、なかなか面白いものです。
10月に行われるフラメンコ・フェスティバル・イン・トウキョウについての記事が、Yhooニュースに出ました。
某ライターさんが、フラメンコファンにはお馴染み!の志風恭子さんにインタビューしてまとめたもの。
これが、フラメンコの書き手である私が読んでもハッとするような、興味深いものでした。
書かれていた事実におどろいたわけではありません。
その切り口、ツッコミ方がおもしろいのです。
フラメンコとフェスティバルの魅力が、とてもわかりやすく伝わってきます。
それにしても、
この切り口でのフラメンコの語られ方、なんか目からウロコ!
もの書きのはしくれとして、記事にとても刺激を受けました。
「ピナ・バウシュや大野一雄を魅了した「蔑視」され続けるアート・フラメンコの魅力とは」
このタイトルからして、通常のフラメンコ記事とは違う匂いを感じませんか?
書き手も、アルティスタたちと同様、その世界の「常識や権威」に縛られてばかりだと、スパっとしたことがなかなか書けないものです。でもその世界に長くいると、そうしたものが染み付いてしまって、まっさらな心でものが見えなくなってくる。
あっぶねぇーなぁ、気をつけろるよ、ニシワキ!
記事を読みながら、そんな声が聞こえてきましたよ。
「イスラエルは、フラメンコ界のニジンスキー!」~記事より~
そう、新しいものを受け入れない一部?のアフシオナードたちのブーイングと闘いながら自身のアルテをイスラエルは築いてきたんだものね!
そうした新しい挑戦を評価する姿勢、気概、フラメンコ界のなかでも、もっと必要と感じます。
「日本ではまだまだ知られていないフラメンコの真の魅力。しかし世界では、その魅力に気づいたアーティスト同士が積極的にコラボレーションを行うなど、その表現の重要性を認めつつある」~記事より~
「素晴らしい芸術であるにも関わらず蔑視を受けてきたフラメンコ。「アート」としての正当な評価はまだ始まったばかり」~記事より~
そう、日本のフラメンコには、自身が踊ったり弾いたり歌ったりする実践派の熱狂的なファンが大勢いる一方で、
フラメンコの鑑賞者、純粋な観客層というのは、まったくといってよいほど育っていない。
いや、実践派ファンにとっても実は素晴らしいアルテを鑑賞すことは、必要不可欠なことだけど、そちらへの関心は極めて薄いのが現状だ。
自分たちが踊る(弾く、歌う)楽しさだけでなく、鑑賞するアルテとしてのフラメンコの素晴らしさを、もっと広くつたえていかなくては!
フラメンコを知ってる人も、知らない人も、フェスティバルに興味があってもなくても、
ぜひ読んでみて!欲しい記事です。
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