シェリー酒の郷、アンダルシアのヘレス・デ・ラ・フロンテーラで、毎年恒例のフラメンコフェスティバル、フェスティバル・デ・ヘレス。2018年は、2月23日から3月10日の2週間に開催されます。
今年で22回目となるこのフェスティバルには、毎年世界中からフラメンコの練習生やファンが集まり、フェスティバルの開催するワークショップには、日本からの参加者が非常に多いことが毎年話題となります。
既に9月の初めに、48クラスの受付が始まりましたが、たった10日間で60%が埋まったとのこと。フェスティバル事務局が開催するクラス以外にも、ワークショップが数多く開催されますので、この2週間はヘレスの街中を、クラスに参加する練習生が荷物を抱えて動き回っている風景が定番となっています。
夕方からは、期間中毎日、すべて徒歩圏におさまる各会場で、2、3公演、合計39公演が開催されます。今年のオープニング公演は、スペイン国立バレエ団によるもの。伝統的なレパートリーである、イサック・アルベニスのイベリア組曲からの「ERITANA」とサラサーテの「ZAPATEADO」。そして、現監督のアントニオ・ナハーロになってからのレパートリーである、ブランカ・デル・レイ振付の「Manton de Solea」と日本でも公演された「ALENTO」が上演されます。舞踊団ものでは、アンダルシア舞踊団の公演もあり、この二つの舞踊団の対比も面白いでしょう。
今年は、今まさに脂の乗り切っている中堅と注目の若手が主役の公演がプログラムされており、現代のフラメンコを知る2週間となりそうです。
メイン会場のビジャマルタ劇場では、昨年、急病で公演がキャンセルとなったロシオ・モリーナ(Rocio Molina)の「Caida del cielo」やダンス部門でスペイン国家賞を受賞したマヌエル・リニャン(Manuel Linan)の「Baile de autor」。今年、東京のタブラオに出演していた、ラ・ルピ(La Lupi)とアルフォンソ・ロサ(Alfonso Losa)もそれぞれソロで公演します。イスラエル・ガルバン(Israel Galvan)演出で話題となったイサベル・バジョン(Isabel Bayon)の「Dju-dju」の再演、そしてフェスティバルの締めとなる最終日は、ファルーコファミリーの最若手、マヌエル・フェルナンデス"エル・カルペタ"(Manuel Fernandez "El Carpeta")が登場します。
公演は歌、ギター、踊りとコンサートや公演が数多くプログラムされており、女性アーティストシリーズ "Mujeres con Nombre Propio"、男性ダンサーシリーズ "Ciclo Baile con Ellos"、ギターシリーズの "Ciclo Toca Toque?" などがあります。小劇場のサラ・コンパニアでは、サラ・カレーロ(Sara Calero)の「Petisa Loca」とマリア・パヘス舞踊団で長年活躍しているホセ・バリオス(Jose Barrios_の「REDITUM 」、地元ヘレスのバイラオールのミゲル・アンヘル・エレディア(Miguel Angel Heredia)がセビージャのバイラオーラ、コンチャ・バルガス(Concha Vargas)をゲストに迎えての公演も注目です。ギターコンサートのシリーズCiclo Toca Toque?も充実のラインナップ。シリーズの最後を飾るのは、ぺぺ・アビチュエラ(Pepe Habichuela)とディエゴ・デ・モロン(Diego de Moron)という珠玉のコンビ。
国境を超えたフラメンコとして企画された「フラメンコナウタス(FLAMENCONAUTAS)」は、ハビエル・ラトーレ(Javier Latorre)の演出で、メキシコのフラメンコカンパニーに加え、日本のアーティスト、小島章司さんもゲスト出演します。
"ティオ・ぺぺ"で有名なシェリー酒のワイナリー、ゴンザレス・ビアスの敷地内での公演は、コンサートが中心。カンタオーラのロサリオ・ラ・トレメンディータ(Rosario "La Tremendita")やヘマ・カバジェロ(Gema Caballero)のソロコンサート。ギターでは、地元ヘレスのアントニオ・レイ(Antonio Rey)やサンティアゴ・ララ(Santiago Lara)が出演します。
他にも注目公演は多々ありますが、すでにチケットは発売が始まり、かなり売れている様子です。
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来年もまた、現地からのレポートをお届けする予定です。
写真/FOTO : Copyright to BNA / CIA Rocio Molina / Manuel Linan / Sara Calero / Festival de Jerez
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