10年ほど前、病気で4ヶ月入院していたことがある。
退院して、体力と健康増進のために始めたのが山登りだった。
手始めに登ったのは、奥武蔵の入口、飯能市街に広がる多峯主山(とうのすやま)、天覧山、そして日高市のシンボル日和田山だった。
いずれも低山だが、多峯主山の山頂からは飯能市街のみならず都心の高層ビル群まで見渡せ、日和田山からは春には満開の桜が、秋には一面に開花している曼珠沙華が見渡せるとても美しいところだ。
そんな過去を思い出しながら向かったのが、日高市横手にある「ガレリア デ カフェ リモン」だ。
ここで一風変わったフラメンコライブが行われた。
もちろん、タブラオでなくてもどこにでもフラメンコは観に行きます。
【ギター】石井奏碧
【バイオリン】森川拓哉
【トルン(ベトナム琴)】小栗久美子
【歌】小杉栄里
【踊り】神谷真弓
昼の部と夜の部とがあったが、昼に参加。
2部構成で、1部は小栗久美子さんのトルンという竹で出来たベトナム琴によるオリジナル曲の演奏がメインだった。
もちろんトルンの演奏を観るのも聴くのも初めてだったが、ベトナムの音楽と言うとどちらかというとソリッドなイメージがあるけれども、バチに輪ゴムが巻いてあってとても柔らかい音色だった。そしてそのバチは上だけでなく下も使うのが面白い。
トルンの音のツブが揃っていてとても心地が良いと思っていたら、元々マリンバをやっていたとのことでした。
アオザイも素敵。
フラメンコやジャズの演奏のみならず作曲やアレンジと、いまや飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍されているバイオリンの森川拓哉さん。
今日も1部の曲はほとんど彼のアレンジとのこと。随所にセンスが伺えました。
2部は石井奏碧さんのギターソロ、モリエンドカフェに始まり、神谷真弓さんの踊りによるソレア・ポル・ブレリア、京都に行きたくなるマイフェイバリットシングス、小杉栄里さんのカンテソロでブラジル風にアレンジされたガロティン、エリックサティ風の出だしのグアヒーラで再び神谷真弓さん登場と盛りだくさんの内容。
2008年の日本フラメンコ協会新人公演でソロ部門、群舞部門ともに奨励賞を受賞している神谷真弓さんは、フラメンコを始めたころ、高円寺のタブラオ「カサ・デ・エスペランサ」でアルバイトをしていた。その頃のことを僕は知らないのだけれども、彼女にとっても僕にとってもホームグラウンドが同じということで勝手に親近感を持っている。
グラナダ仕込みの強いサパテアードも彼女の魅力だ。
ライブはアンコールがかかり、まったく合わせをしていなかったというチックコリアのスペイン。
石井奏碧さんの超絶テクニックに舌を巻いた。
このメンバーのライブまた観てみたい。
リンク
森川拓哉 official web site
小栗久美子
FLAMENCO ARTISTAS FRESCOS 神谷真弓