今年の熱い新人公演が終わりました。
例年より早い開催でしたが、新人公演の熱さは全く変わることなく
パワーあふれる3日間でした。
さて、このたび、長きにわたり皆さまにご愛読いただいてきた「新人公演応援團合評」を終了することにいたしました。
2005年より(当初はアクースティカ・ホームページで掲載)、11年間新人公演出場者全員の講評を、複数の応援團員による合評というスタイルで、ずっと取り組んでまいりました。


コンセプトはただひとつ。
あくまでも応援するという立場に立ったうえで、率直に、自由に書くこと。文章の長さも制約なし。批評のための批評ではなく、新人たちの今後の成長に思いをはせたものであれば、厳しい進言も良しとしました。
そういう意味では、甘言ばかりではありませんでしたので、快く思わない出場者の方もいたことでしょう。しかし、表舞台に立ってチャレンジする以上、様々な意見を受け止める覚悟は、表現者としての基本的な姿勢であり、それこそが発展途上にある出場者の皆さんへの応援歌であると、認識しておりました。
終了に至った経緯は以下の通りです。
昨年の記事を見た出場者のお一人から、無断で写真を掲載されたということで、日本フラメンコ協会にクレームが入ったそうです。そのことを受け、協会で審議がなされ、以下のような連絡が理事会報告の書面でアクースティカに届きました。
「今年度より、撮影者のカメラマンが協会の正式な撮影業者となるため、今後は協会以外のホームページでは、被撮影者本人=出場者の承諾なく写真を掲載するのは問題があるのではないか?」というテーマで理事会において話し合われた結果、参加理事全員の合意で、「被撮影者=出場者の許可なく掲載することを不可とすべき。」
この書面を受け、検討しました結果、100名にも上る出場者の方の承諾を得るということは不可能だと判断しました。アクースティカ及びフラメンコ・シティオの少ない人員では現実的に無理なのです。
では、どうしたらよいのか? 様々な方法を考えましたが、同時にこの書面は、「新人公演応援團合評」の意味そのものについて、改めて考えるきっかけともなりました。
新人公演の注目のされ方、選考結果に対する受け止め方など、新人公演が回を重ねる中で変化してきていると感じています。奨励賞という結果が絶対的なものではなく、相対的なものであるという受け止め方がされるようになり、あくまでも公平という観点で貫かれた選考方法に対する理解も、当初に比べるとだいぶ得られているようになったと感じています。
「新人公演応援團」が応援するのは、出場者ひとりひとりであると同時に、新人公演全体の活性化にむけたものでもあります。
その意味において、微力ながら一定の役割を果たしてきたのではないかと思っています。ならば、応援の仕方も変わって良い時期なのかもしれない、と考えるに至りました。
以上の理由から、とても残念ではありますが、「新人公演応援團合評」を、昨年をもちまして終了させていただくことを決めました。
記事を楽しみにして下さっていた多くの皆さんの、ご理解をお願い申しあげます。
新人公演に対する熱い思いを胸に、厳しくも暖かい講評を書いてくださった応援團員の皆さんに、心から御礼申し上げます。
新人公演の更なる発展と、新人公演にチャレンジするすべての皆さんの今後の活躍を心から祈っています。
そして最後に、応援團合評の記事を心待ちにしてくださっていた皆さん、とりわけ切実な思いで待ってくださっていた出場者の皆さん、企画を継続できなかったこと、お詫びいたします。

2016年6月20日(月)
アク-スティカ代表 加部 洋
フラメンコ・シテイオ主幹 西脇美絵子

<AGRADECIMENTO~スペシャル・サンクス~>
新人公演応援團員
菊地裕子 堀越千秋 若林雅人 小森晧平 
中谷伸一 高橋英子 東仲一矩 松村哲志
奥濱春彦 手下倭里亜 宮沢勇一(敬称略)

アクースティカ倶楽部

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