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10分休憩を挟みいよいよワークショップへ。
ショーが終わった段階で押し気味だったので、パルマは手短に。さっきしっかり見てたから足手手手の4拍子は秒速でクリア。
すると子供たちはパルマのスピードを段々上げていって、(上がったのではない。意志を持って上げたのだ)、超速にしてキャーなんていいながら、大爆笑しながらめっさ楽しんでいる。人はスピードが出ると楽しい、んだね。フラメンコのスビーダって人間の自然な欲求なんだな、なんてあらためて再発見。
そしてバイレ。
川上摩紀先生による「タララ」振付け。
摩紀先生が「好きなフルーツは?」との問いに一斉に答える子供達。フルーツをとって、ポケットに入れて...あぁ!振りが一個足りんやった!のハプニングもさすがのまきちゃん、笑いに変えて子供たちを惹きつけていく。
子供達は猛スピードで難なくバイレをクリア。全身を揺らして踊ってる。特に最後の「足ドン」(床をトン・トン・・トントンと踏み鳴らす)では262人が本気でやるので体育館が揺れた(笑)。子供たちには手ならぬ足加減なんてないのだ。先生たちからクレーム来ないかしらと心配になるような大震動。


そしていよいよギターの時間。
ステージ横に並んだギターを指さしたら子供達からどよめきが。
「ギター弾きたい人?」と聞いたら「ハイハイハイハイハイ~!」の大合唱!!!
ほとんどの子が手を挙げてたのではなかろうか。
ギターは7本。子供262人...どうしよう
事前打ち合わせの時は「田舎の子やから、あんまり積極的に自分達から立候補はせんかもね~」と担当の先生やTさんがお話されていたので、これは嬉しい大誤算。
ただ、ちょっと困った。はて、これはどうやって7人選んだものか。
担任の先生方と相談し、大人サイズのギターゆえに4年生以上の高学年から代表を選ぶ事に。4年生1人。5年生3人。6年生3人出てもらう。
子供たちは1~3年生が前、4~6年生が後ろ側に整列していて前ブロックの中でも特に何人かは、私の後をついて来る勢いで「ハイハイ、僕弾きたい!」と目の前に手を出して来ていた。
私が「ギターが大きいから高学年の皆さんにお願いしましょう」と言った時の彼らの落胆ぶりといったら。ショボーンとしぼんだ子達の姿は本当に切なくて申し訳なくて胸が痛くなった。ごめんね。
選ばれた上級生は緊張しながらもすごく誇らしそうに見える。女の子もひとり入ってくれた。
7本のギタ-。今回はこれが車に載せられるマックスの数だったのだけど、やっぱり持って来る本数や、弾いてもらう子供の決め方、時間配分などの反省材料、次回までにもっとこうしたい、というのが多々見つかった。
もっと沢山の子供に触れさせてあげられるようこれから考えていこう。閑話休題。
さて、ギターの指導はもちろんギタリスト野崎智文さん。旅の中でもワイガヤ女子の話をニコニコと優しく聞いてくれていた智さんですが、子供達にもやはりニコニコと優しく丁寧に指導してくれる。
左手で弦を押さえ、右手親指を一番上の弦の上に置き、残りの弦を人差し指ではじく。
あらかじめカンテのミカさんの高さにカポを合わせておいてくれたので、生徒たちのギターからはAマイナーのコードが流れ出した。
フラメンコらしくギターを指で叩くゴルペを入れて3回コードをかき鳴らす。
器用に鳴らしている子もいれば、指がずれてなかなか上手くいかない子もいる。でも全員一生懸命。
ワイヤレスマイクでそれぞれの音を拾ってあげる。子供たちが初めて鳴らすギターの音は優しく清らかだった。
そしてカンテ。事前に「タララ」の音源を小学校に送っており地域の合唱コンクールに出る4年生がサビを覚えてくれてきていたが、やはり全員に。と山﨑美佳先生の歌詞指導。
子供たちの記憶力はすんばらしいのであっという間にクリア。
で最後に4年生が唄、7人ギター、みんなで踊り「タララ」を大合奏となった。
カンテのみんなもマイクを向けるとどんどん顔を近づけてくる。みんな自分の声を聞いてほしいのだ。
磨紀先生は子供たちの中に入って踊り、キコさんと私はステージで。
「アイ、タララ、シー。アイ、タララ、ノー」何度も何度も繰り返しスビーダしていってワークショップ終了。
何のてらいもなく自分を出し切る子供達にどれだけ多くの事を教えられたことか。
学校の先生達も、子供達のテンションに本当にビックリしたとおっしゃっていた。
メンバー全員が心の中にずっしりと大切なモノを頂いた。
私はというと、上手くいったのかどうか、についてよりも、「これから」この頂いたモノをどうやってより良い形にできるか、について自然に頭が切り替わった。クラウドファンディングをお願いしていた時、おぼろげにこんな事できたらいいんじゃないかな、でもできるのかなと不安をはらんでいた気持ちが「これはやらなくちゃいけない。これからちゃんと腰を据えてやるべき大切な仕事だ。」という確信に変わりました。
フラメンコがどうこう、ではなくて、子供達が思い切り声を出し体を動かし五感を総動員して自分を表現する、本物の楽器に触れる、ひととともに楽しむ事で、何か心に残る時間を過ごしてもらえるんじゃないか、と思う。
やり方を磨いて、わかりやすい形にすれば、自分達じゃなくても、日本全国でこういう事ができるんじゃないか。おとなも子供もかけがえない時間を過ごせるんじゃないか。
最後に6年生の代表からお礼の言葉を頂いた。緊張した面持ちと素朴で心に届く言葉にふと笑顔になる。そして視界が滲んできた。帰り際には校舎の中からいっぱい手を振ってくれた子供達。
私からも特大の「ありがとう」を。子供達へ。先生方へ。お世話してくださったスーパーなスタッフTさんHちゃん。子供たちの音を届けてくれたKOさんへ。
そして未知の世界に一緒に飛び込んでくれたPollos Fritosのメンバー、きこさん、みかさん、まきちゃん、ともさんへ。
さて、チキン南蛮食べて夜ライブへ!
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アクースティカ倶楽部

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