もうお気づきの方も多いと思うが、フラメンコ・シティオが主催する「フラメンコ楽学広場 シティオ塾」が来年1月からスタートする。すでに、その第一弾として当サイトの人気連載「スローライフ・フラメンコ」に連動した飯塚真紀さんのクルシージョの開催が決まっている
スタートすることが決まったのはついこの間だが、なんらかの形で講座事業を行いたいという思いは、ここ1,2年ずっと心にあった。その理由は3つある。


① フラメンコをもっと深めたい、もっと理解したいという気持ちが、私自身の中にありつづけること。フラメンコを主たるフィールドにして仕事をするようになって20年以上、実際に教室に通った時間は短いが、見たり聴いたり読んだりは、それなりにしてきたと思う。でもね、それだけでは、なかなかフラメンコはつかみきれないのだ。私の努力不足やセンスのなさを差し引いたとしても、フラメンコは奥が深すぎる! もっとフラメンコをわかりたい!その思いが私の中から消えたことはない。最近独学でカンテを始めた。すると欲が出て、コンパス・レッスンも受けるようになった。こうした想いの延長線上にシティオ塾はある。
② 私は大きな持病もちで、2年間ほど仕事を休んで療養に専念したことがある。その時に自分の身体と向き合うことは、自分自身と向き合うことに他ならないと思い知った。そして、精神と肉体は分かちがたいものであることも。療養期間中、それまでとは違うアンテナを張り、体にいいこと、心にいいことを探し、実践した。そこにはさまざまな人々との出会いもあった。それらを、フラメンコにも役立たせたいと思うようになったのである。
③ 私はこれまで、主にフラメンコのアルテとしての魅力を伝え広めることを自身の仕事と考えてきた。私自身がその魅力のとりこだったからだ。それは今も変わらないが、もう一つのフラメンコの威力にある時気付いた。フラメンコに内在する、人間回復、自己再生ツールとしての威力だ。もしかしたら、アルテとしてのフラメンコ以上に、自己解放のための、疲れた心と体を回復させるのに役立つフラメンコを求めている人の方が、今の日本には大勢いるのではないかと思うこのごろである。フラメンコへの新たな入り口を作りたいと思った。
sitiojyukubaner.jpg以上3つの理由から、シティオ塾の講座内容の3つの柱が生まれた。
① フラメンコの上達、理解を促すための講座
② フラメンコたちの心身のケアをサポートする講座
③ フラメンコで元気になるための講座
こう書いてくると、シティオ塾の開校は、私にとっては必然であったように思えてくるが、
ことは、さように計画的に進んだわけではない。
10月末頃、ヘレスに住む真紀さんから1通のメールが届いた。
「キリコさん(私のこと)! 4年ぶりに帰国します。スロー・フラメンコのクルシージョをやりたいと思っていますが、てつだってもらえませんか?」
そうだ、フラメンコ・シティオを始める時、連載依頼の相談をしながら、私は、真紀さんにまだ思いつき程度でしかなかった講座開催への想いを語っていたのだ。その想いだけは抱き続けていたものの、ああでもないこうでもないとイメージは頭の中でぐるぐる巡るばかりで、なかなか具現化できずにいた。
あれこれ考えるばかりでは始まらない。できることから少しずつ始めて見よう。
年内に書きあげねばならない、いや、とうに書きあげていなければならない原稿やら、動き始めている他のプロジェクトやらが目の前にちらついたが、真紀さんからのメールは、私の背中を押してくれた。 私は返信した。
「OK!真紀ちゃん!」
そうして、シティオ塾が動き出したのだった。
因みに、飯塚真紀さんの講座は、1回単発のクルシージョで、③のフラメンコで元気になる!ことを目的にしたもの。フラメンコのテクニックではなく、スピリットに焦点を当て、人とリズムの輪の中でフラメンコを遊び,楽しんでゆく。それがなぜ疲れた心と体に効くのか、ぜひあなたの実感で確認してほしい。
このクルシージョは、フラメンコがバリバリうまくなることが目的ではなく、フラメンコに向き合うことで心も身体も元気にしようというもの。真紀さんの意向でて対象を初級~中級者としたが、フラメンコのかなり深い部分が見えてくる内容になるだろう。スローフラメンコは、真紀さんの15年に及ぶヘレスでの生活の中で、彼女ならではの視点でまとめあげられたものだが、それは、フラメンコの本質から離れていないどころか、むしろ、本質を端的についている。私個人としては、上級者~プロの方にも充分参考となる内容と考えている。
飯塚真紀クルシージョ詳細情はこちら
飯塚真紀の「スローライフ・フラメンコ」はこちら

この講座を皮切りに、来年以降、さまざまなクラスを開設していく予定。
御期待下さい。

3つの壁の乗り越え方

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