この1週間は、大阪と京都行ったり来たり、
今日は旭川、明日は札幌と北海道を巡り、
明後日日曜に、いよいよ東京に戻ってくる
ハビエル・エレディア。
そう、彼は
5月半ばから日本に来ていて、
日本各地に
フラメンコのアイレを届けているフェステーロなのだ。
フェステーロとは、
ブレリアを歌ったり、踊ったり
パルマを叩いたり、ハレオをかけたりしながら、
フィエスタやステージを盛り上げる人。
こういうと日本では、
ちょっと三枚的な軽い印象を持つ人がいるようだが、
それは大きな勘違い。
確かに、独特の軽やかさや、
おかし味でフラメンコに笑いを引き出してくれることも有るが、
フェステーロの本質は、
最もシンプルで自然なフラメンコの化身のような人。
ブレリアのエキスパートであり、
フィエスタの達人。
ソニケーテとアルテの塊のような人なのである。
良くも悪くもフラメンコが発展し、
興業としてのフラメンコが勢いを増し
職業としてのアルティスタが増えたからだろうか、
フェステーロと呼ばれる人は、
古き良き時代のフラメンコが消えていくのに歩調を合わせるかのように、
激減してきた。
そんな中で、
御大ミゲル・フニから大きく世代を隔てて、
ルイス・ぺーニャとこのハビエル・エレディアが、
現代のフェステーロとして、
活躍しているのだ。
こうした事情に詳しい俵英三さんによれば、
ルイスやハビエルの影響を受けて、
今セビージャでは、更に若い世代のフェステーロたちが
台東してきているそうだ。
話をハビエルに戻そう。
5月の半ばハビエルは、
東京・中野スペースリンクでクルシージョを行なった。
そのタイミングで、
私とアクースティカの加部さんとで主催・企画している
中野フラメンコ夜話会にも招き、いろいろな話を聞いた。
話と言ったって、それはもう全てがフラメンコにつながっているものだ。
クルシージョと夜話会で
ハビエルと一緒に"フラメンコな時"を過ごした私は、
ハビエルの魅力に串刺しされてしまった。
ハビエルの居るところ、フラメンコの神様が、アイレが、魂が宿るのだ。
そうそう、次の日曜のガルロチのライブにハビエルが出演すると聞きつけ、
「追っかけ」よろしく観に行ったりもしたのだっった。
最初に再会した夜話会からライブまでの1週間あまり、
もちろん、四六時中ハビエルといたわけではないが、
ハビエルマジックにかけられた私の頭の中は、
フラメンコの密度が異様に高まっていたのだった。
なぜかずっと、胸がホクホクしていて幸せだったということです。
私がハビエルに最も魅了されたのは、
フラメンキストとしての霊性(神秘的な魅力とでも言ったらいいのか?)と、シャープなインテリヘンテとしての分析力、表現力を兼ね備えている点だ。
最近はヒターノたちも
当たり前のように日本で教えるようになっているので、
かなり教え方もうまく立ってきている。
だがハビエルのそれは、桁外れだ。
スペイン人だから、ヒターノだから、
フラメンコのことはなんでも分かる、教えられる、と思ったら大間違えだ。
彼らは、頭で考えることなく、
綿々と受け継がれてきたことを
生まれる前から?身体と頭に刻み込まれたことを、
当たり前にやっている人たちなので、
それを論理的に説明する術などもっていない人がほとんどなのだ。
ファルーコだって
マヌエラ・カラスコだって、そうだった。
でも、ハビエルは違った。
とびっきりのオープンマインドと彼の知性とが一つになって
フラメンコの伝道者として、
大変優れた能力を持っているのだ。
これは、私たち日本人にとっては、大きな魅力。
さて、明後日日曜、此度の来日の最後のクルシージョが
再び東京で行われる。
バイレも、カンてもギターも関係なし!
プロもアマも、上級者も初心者もかんけいありません。
フラメンコの本当のことが知りたい人
フィエスタを体験してみたい人、
なんとなくのイメージではなく
ハビエルは私たちに伝わる言葉で語ってくれます。
奥さんのリナさんがすべて通訳してくれるので
スペイン語がわからなくても大丈夫です。
1日4時間集中で、フィエスタのクルソと実践が学べます。
17日の小代はこちら。